予防歯科prevention

予防歯科とは、むし歯や歯周病が発症する前に原因を抑え、健康な状態を長く維持するための歯科医療です。
近年では「悪くなってから治す」よりも「悪くならないように管理する」考え方が世界的に主流となっています。

むし歯や歯周病は、いずれも口腔内の細菌が関与する感染性疾患です。
完全に細菌を取り除くことは不可能ですが、日々のケアと定期的な専門処置によって、細菌数をコントロールし、病気の発症や再発を防ぐことができます。
そのため、定期的な歯科検診とクリーニングを受けることは、治療よりもはるかに経済的かつ健康的な選択といえます。

【1】予防歯科の基本構成

予防歯科は、次の2つの柱で成り立っています。

セルフケア（ご自宅での予防）

日々の歯磨きは予防の第一歩です。
しかし、毎日磨いていても約4割の方が磨き残しをしているといわれています。
自分に合った歯ブラシ・歯間ブラシ・デンタルフロスを正しく使用することが重要です。

セルフケアの主なポイント

• 歯ブラシ：毛先が広がる前に定期的に交換（約1か月を目安）
• デンタルフロス・歯間ブラシ：歯と歯の間の清掃に必須
• フッ化物配合歯磨剤：再石灰化を促し、初期むし歯を修復
• 舌・頬・義歯の清掃：細菌の棲みかを減らし口臭を防止

歯科衛生士によるブラッシング指導を受け、自分の歯並びや年齢に合ったセルフケア方法を確立することが、最も効果的な予防です。

プロケア（歯科医院でのメンテナンス）

セルフケアでは取り除けない汚れを、専用機器で除去するのがプロフェッショナルケアです。
歯科医院での定期的な管理によって、病気の早期発見と再発防止が可能になります。

主なプロケア内容

【2】定期検診の重要性

歯科疾患の多くは自覚症状が出たときには進行していることが多く、早期発見・早期処置が最善の防御策です。
当院では3〜6か月ごとの定期検診を推奨しています。

定期検診で確認する項目

• 歯ぐきの状態（出血・ポケットの深さ）
• むし歯・初期脱灰の有無
• 詰め物・被せ物の劣化
• 清掃状況・咬合のバランス
• 生活習慣・食習慣の再評価

【3】予防歯科の効果

• むし歯・歯周病の発症リスクを大幅に減少
• 治療回数・医療費の軽減
• 口臭・着色の改善による清潔感の向上
• 歯を長く保つことで、咀嚼力・発音・表情の維持
• 全身疾患（糖尿病・心疾患など）のリスク低減

健康な口腔環境は「食べる」「話す」「笑う」といった生活の質（QOL）を高める基盤となります。

【4】当院の予防歯科の特徴

• 担当衛生士制：毎回同じスタッフが経過を管理し、変化を正確に把握
• 口腔写真・記録管理：経時的な変化をデータ化
• 最新の超音波スケーラーと微粒子研磨材による快適な処置
• 小児〜成人・高齢者まで個別に合わせた予防プラン

那須塩原市エリアの皆さまが、生涯にわたって自分の歯で食事を楽しめるよう、当院では「治す歯科から、守る歯科へ」という理念のもと予防歯科を実践しています。